保育の意義
この章では、「保育」とは何なのか、保育の内容を示した「保育所保育指針」とはどういったものなのか、基本的な内容や試験に出る重要事項とともに解説していきます。
1.保育とは
「保育」とは、乳幼児を保護し、育てることを言います。そのなかで、家庭における保育を「育児」、保育園や幼稚園における乳幼児の集団保育を「保育」あるいは「幼児教育」と呼ばれます。
「保育」という言葉には、「養護」と「教育」の2側面があります。「養護」とは、子どもの生命の保持および情緒の安定を図るための援助のこと、「教育」とは、心身の健康な発達のための援助のことを言います。
つまり、「保育」とは、乳幼児を適切な環境のもとで健康・安全で情緒的に安定して過ごせるよう養護するとともに、子どもが将来独り立ちできるよう教育することを表しているのです。
2.養護と教育の一体性
保育において、養護と教育は切りはなして考えられるものではなく、一体的に考えていくものです。
「保育所保育指針」第1章「総則」2「保育所の役割」イには、保育における養護と教育の一体性について、以下のように述べられています。
「保育所保育指針」第1章「総則」2「保育所の役割」イ
保育所は、その目的を達成するために保育に関する専門性を有する職員が、家庭との緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における環境を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。
更に、「保育所保育指針解説書」では、養護と教育の一体性について以下のように詳しく述べられています。
「保育所保育指針解説書」第1章「総則」2保育所の役割(2)保育所の特性 ⑤養護と教育の一体性 養護と教育が一体的に展開されるという意味は、保育士等が子どもを一個の主体として尊重し、その命を守り、情緒の安定を図りつつ、乳幼児期にふさわしい経験が積み重ねられていくように援助することです。
3.「保育所保育指針」「保育所保育指針解説書」とは
「2.養護と教育の一体性」の中で挙げられた「保育所保育指針」「保育所保育指針解説書」とはどういったものなのでしょうか。
・「保育所保育指針」・・・保育所における保育の向上と充実図るため、保育の内容や運営等に関する事項を示したもの。1965年に制定され、2008(平成20)年の改定(2009〔平成21〕年施行)により厚生労働大臣の告示となり、法的拘束力をもつようになった。
・「保育所保育指針解説書」・・・「保育所保育指針」の内容をより具体的に解説したもの。法的拘束力をもたない。
まとめ
この章の要点をチェックしていきましょう!
✔乳幼児を保護し、育てることを「保育」という。
✔「保育」には、「養護」と「教育」の2側面がある。
✔「保育所保育指針」には、養護と教育は一体的に行われるべきであると述べられている。
覚えて合格!重要単語
最後に、試験に出る重要単語を確認していきましょう!
- 乳児・・・出生から1歳未満の子ども。
- 幼児・・・満1歳から小学校就学までの子どものこと。
- 養護・・・子どもの生命の保持および情緒の安定を図るための援助
- 教育・・・心身の健康な発達のための援助
- 保育所保育指針・・・保育所における保育の向上と充実図るため、保育の内容や運営等に関する事項を示したもの。1965年に制定され、2008(平成20)年の改定(2009〔平成21〕年施行)により厚生労働大臣の告示となり、法的拘束力をもつようになった。
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